木次線に奥出雲おろち号に乗りに行こう!と、JR西日本のネット予約サイト(e5489)に張り付いて、指定席発売開始直後の10時申し込んでみる。あっさり往復の指定席が取れてしまった。前日までずっと事前申し込みを頑張って、結局抽選漏れしていたのが嘘みたいだ。
そのまま流れで、同じ日のサンライズ出雲・東京行きを確認してみたら、こちらもまだ空きがある。出雲からの帰りを何も考えてなかったので、えいや!っと買ってしまった。
はじめての寝台特急だ。
昔図鑑でみて憧れていたブルートレインたちは、結局じわじわと数を減らし、最後まで残っていた「あけぼの」も「北斗星」も「トワイライト」ももういない。クルーズトレインの類を除けば、もうサンライス瀬戸・サンライズ出雲だけになってしまった。
夜行列車で一夜を明かした経験は「はまなす」の指定席リクライニングシートくらいで、ベッドに寝そべりながら移動するというのはどんな気分なんだろうか。期待しつつ、期待しすぎず、当日を待っていた。
乗車まで
奥出雲おろち号から木次線・山陰本線と乗り継いで、出雲市駅へ向かう。ついたのは17時過ぎ。
まず夕食を調達するべし!と事前に情報を得ていた。サンライズ出雲には車内販売がないので、買いそびれると明日朝まで絶食状態だ。
せっかく汽車旅だしね、と、駅で駅弁を探したけれど、感染症の余波か取り扱い中止だったり、すでに売り切れていたり。「そば弁当」で有名だった出雲市駅の駅弁業者はすでに撤退済みで、今は基本的に松江駅の業者のものを売っているから、回される絶対数も少ないのかもしれない。
結局、駅近くのお寿司屋さんでセットをテイクアウト、あとは改札横のセブンイレブンで飲み物やおつまみを調達した。
また列車内はシャワーがあるが、使える人数が相当限られているらしい。先に確実に汗を流そうと、駅チカのスーパー銭湯に向かう。
スパ銭といえどお風呂はしっかり温泉の茶色い濁り湯、思いの外長湯してしまった。脱衣所に戻れば、キャリーバッグを持っている二人組や、地元の方とサンライズに乗ることを談笑する旅行者も見かける。立地が良いので、サンライズ乗車前後の利用が浸透しているのだろう。
早めにホームに上がる。サンライズは発車ギリギリまで入線してこないらしいのだが、いつ来るのか正確な時間はよくわからない。とりあえず入線シーンを眺めたいので、ホームの端よりで待つ。
18時50分の少し前、西出雲方面から列車がゆっくりと入ってきた。
ホームの端の方には、自分も含めてぽつぽつとカメラを持った人が集まる。発車時刻は18時53分だからあまり余裕はない。軽く写真を撮ったら、乗り遅れないように自分の部屋のある2号車に向かう。
本日の部屋:シングルツイン
今晩泊まるのは、2号車車端部にある「シングルツイン」。なんだか妙な名前だけれど、シングルルームとしてもツインルームとしても使える個室、ということらしい。
見た感じ、個室二段ベッドのお部屋。
今回は自分ひとりで乗るので、要はツインルームのシングルユース。寝台料金は9600円で、同じ1人用個室B寝台の「ソロ(6600円)」「シングル(7700円)」あたりと比べるとわりと高い。
加えて特急料金が3300円、出雲市→東京都区内の乗車券が12210円かかり、しめて25110円が本日の宿泊料金となる。結構いいとこのホテルだ。
やっぱり値段はそれなりにする。でも、私も電車好きの例に漏れず、親にブルートレインに乗りたいと頼んでは「自分でお金を稼げるようになったらね」と言われ育ってきた。もう何も躊躇うことはないんだ。特急と新幹線を乗り継いでも20670円するので、個室で寝てれば着いてしまうことを考えれば、まあ十分アリな価格でもある。
ちなみに、ホントは「ソロ」か「シングル」に乗るイメージだったのだけれど、e5489だと「禁煙B寝台」という選択肢しかなく、結果的にこの部屋がとれてしまった。部屋タイプの細かい指定には、サンライズ専用の予約サイトを使うか、駅で申し込むかする必要があるらしい。
部屋のドアを開けて、喜んで写真を撮ったりしているともう列車が動き出してしまった。え、もう発車?かなり忙しない感じだけれど、2面4線高架駅の出雲市駅では、夕方ラッシュ時間帯に長々と止めておける余裕がないのかもしれない。
東京まで12時間15分の旅がはじまった。
「シングルツイン」は2段ベット構成となっていて、下のベッドは椅子とテーブルに変えることができる。シーツをはがし、真ん中のモケット付きパネルを外して、机を出せば完成。外したパネルは広い方の椅子の後ろのカベに沿ってはまるので、背もたれになる。
デフォルトの状態だと、ベッドではないスペースが案外狭い…ので、一人利用なら下段を椅子にしたほうが、着替えなり荷物置き場なりに便利だ。というか、こうしないとテーブルが出せない。
外したシーツや掛け布団、枕や浴衣は、使っていない方の椅子や天井近くの収納スペースに、適当においておいておく。
コンセントは、部屋の中の階段の段の下(いや中?)に1箇所、というなんとも微妙な場所に。最近のビジネスホテルのような、枕元で充電、みたいなことはできない。
まあ、1998年、20世紀の電車と考えると、これはむしろ「あるだけ有り難い」と考えるべきだろうな。総武線快速のグリーン車も、最近ようやくコンセントが付き始めたのだし。
上のベッドに登って写真を撮っていると、扉をノックしドアノブをガチャガチャするような音が聞こえる。
あれ?あ、車掌さんの検札だ!?と慌てて階段を降りて鍵を開ける。すっかり失念していた。ドアを開けると、車掌さん越しに向かいの部屋の人と目が会い少し気まずい。向こう側もシングルツインで、あちらは2人利用のようだ。
出雲市から東京都区内までの乗車券と、横長の寝台・特急券を渡す。「1人ですか?」「はい、1人利用です」などとやり取りをして、寝台・特急券の方にはスタンプを押してもらった。最近はチケットレスを使ったり、紙の切符でも検札省略のことが多かったりするので、なんだか久々の感覚だ。
さて、写真に検札に、乗車後の儀式は一通り終わった。お腹が空いた。
さっき購入したテイクアウト寿司と唐揚げを取り出して、駅売店のセブンイレブンで買った地ビールも開ける。寿司はかなり寄ってしまってネタとシャリが分離、そうか、これは駅弁ではないものな…と思いながら割り箸で簡単に整える。
いただきます。
山陰本線をゆく
列車は宍道(19:07)・松江(19:24)と停車していく。この宍道から松江あたりまではちょうど宍道湖沿いを走る、非常に景色のよい区間で、夕日もきれい…と聞いていたが、8月上旬の日没時刻(19時過ぎ)では間に合わないようだ。
まあ、今日は雲が多かったし、結局日没は見えなかったのだろう。それでも、薄暮のなか見える宍道湖や、その後ろの島根半島、線路と並行する国道9号線の車の光…は、旅の終わりの感傷に浸るにはなかなか良い。
このあたり、まだ駅ホームには人が結構いる。すっかり自室でくつろぎモードなのを見られてしまうのはなんだか恥ずかしい。一方で、どうだ、いいだろう…という謎の優越感も抱いてしまう。
結局気恥ずかしさが勝り、ホームのビジネスマンと私とでなるべく目を合わせないようにお互いそっぽを向く。あ、そうだ、カーテンがあったわ、と思い出して、たまらずピシャリと下げた。
松江を出ると、宍道湖と中海とをつなぐ大橋川にそって走るが、もうずいぶんと暗くなってしまった。川の中にはこんもりと木々の繁る小島があり気になるが、よく見えない。あとで地図をみると手間天神社というお社があるようだ。
もっとゆっくり食べるつもりが、寿司も唐揚げもすぐになくなってしまう。もっと買っておけばよかった。車内販売がないことは先述のとおりだが、各駅の停車時間も短く駅で買いに走る余裕はない。
ビールはまだ結構余っている。駅のセブンで買ったチキチキボーン鶏皮チップスと、高級そうなチーズちくわを取り出して、それをアテにしてお酒で流し込む。
揺れる車内、どうにも缶が倒れないか不安で、さっさと飲んでしまいたいな…と思うけれど、アルコールには強くないので、セーブしながら飲んでいく。しかし列車の中でお酒を飲むのも、マスクを外して過ごすのも、なんだかものすごく久しぶりだ。
単線区間の行き違いのために、東松江、揖屋と運転停車を繰り返して安来’(19:49)に至る。途中見えるはずの中海は、もうだいぶ暗く気づくことができなかった。安来までが島根県内で、続いて停車する米子(19:56)は鳥取県となる。
行きは飛行機を使ったので、実は私は鳥取県に来るのはこれが初めて。素通りとなってしまいなんだか悔しい。米子からの境線にも乗っておきたいし、いずれ、じっくり歩いてみなくては。
伯備線をゆく
美しく輝く大きな工場が見えるが、王子製紙の米子工場らしい。この工場への貨物線がある伯耆大山駅を過ぎると、ここからサンライズ出雲は伯備線に移り、中国山地を越えて南下を始める
酔いが回ったのか、旅行での疲れか、猛烈に眠気が襲ってきた。
せめて米子までは起きていようと思い、下段ベッドを変形させた椅子に座っていたのだが、そろそろそれも辛い。この椅子は特急列車のようなリクライニングシートではなく、背もたれが思いっきり直角なので、長い時間座るのにもあまり向かないだろう。
目標にしていた米子も過ぎたし、どうしても横になりたい。まだ寝るのには早い気もするが、階段で上のベッドへ上がって、電気を消して横になる。幅はかなり狭く、カメラは窓枠に、ペットボトルのお茶やスマホは体と壁の間に挟むように置いておいた。
部屋にはスピーカーがあり車内放送が聞こえるのだが、上のベッドには少し聞こえづらい。まあ、終点の東京まで乗るのであまり関係はないか。
シングルツイン個室は車両端にある。この車両にモーターはないけれど、それでも台車に近いところなので、結構揺れるし、ガタンゴトンという音も響いてくる。横になると、体全体でそれを意識してしまう。人によっては寝づらい、というのはあるのかもしれない。
自分のような鉄道マニアは、寧ろこういううるさい席に乗りたがったりするタチがあるので、あまり気にならない。揺れたり音がしたほうが「汽車旅」を感じられて嬉しい!と思う側の人間だから、需要と供給が噛み合っている。まあでも、それを差し引いても、眠たければ普通に寝れる程度かな、と思う。
ただ、室内のハンガーはガチャガチャと壁にあたって気になってしまうので、これは外して天井近くの荷物置きに入れておいた。
ハンガーを外すと黒っぽく影のような物ができている。
推測だけれど、昼間車両基地で休んでいるとき、直射日光で焼け付いてしまったのだろう。サンライズは1998年運行開始。もう24年目と考えると、若干くたびれたビジネスホテル感が出てくるのも致し方ないところ。
横になってスマホをいじっていると、少し長めの運転停車がある。地図を見てみると伯耆溝口という駅らしく、5分ぐらい止まっていたか。
線路のカーブで列車の方向が変わるたび、窓には月が現れ、消える。月明かりと雲に邪魔されているけれど、ポツポツと星々も見える。踏切や街灯の光がやってきては後ろに飛んでゆく。たまに眩しい光がきらめくのは、多分すぐ近くにあるパンタグラフから発生するスパークだろうか。
そんな、真っ暗できらきらした夜の中国山地を、列車の走行音や揺れとともに横になりながら眺めるのは、なんだか夢のような時間。いや、ホントに寝ていたようだ。気がついたら新見(21:20)にいて、もう岡山県に入っている。
新見を出るとまた寝てしまい、備中高梁(21:48)、倉敷(22:14)は記録も記憶もない。気づいたときには随分と大都会を走っていて、もう岡山駅の手前だ。
青いラインの宇野線や、黄色い山陽線電車を見ながら岡山駅に入線。
一旦停車して、また動き出し、止まる。ここで四国・高松から瀬戸大橋を渡ってやってくるサンライズ瀬戸号との連結を行うので、多分その動作だろう。岡山では4分くらい停車するらしいのだけれど、流石にホームには降りず。車内から駅を眺めて待つ。
22時34分に発車。津山線や吉備線の車両が集うディーゼルカーの基地を横目に、山陽本線を走り出す。
車内探検
このあたりで車内を探検してみよう!と個室の外に出る。個室はナンバー式ロックとなっているので、忘れずに鍵をかけておく。
我が2号車は2階建て構造になっていて、真ん中に通路があり、両脇にB寝台の「シングル」個室が並ぶ。車端部には「シングル」の平屋個室と「シングルツイン」個室がある。私の部屋ではないが、「シングルツイン」のうち1室は車椅子対応で、直接デッキに繋がっているちょっと特殊な作りらしい。
3号車は通路部分は1階建てで、上段・下段に分かれている「ソロ」個室。部屋の中に階段や張り出しがあったり、そもそも天井が低かったりと、結構狭いらしい。
ソロ個室は車内にテーブルがない故か、3号車にはラウンジがある。片側4席の合計8席とあまりキャパはないが、ここに溜まっている人は深夜に至ってもそれなりに居た。
ラウンジのお隣には、飲み物の自販機やシャワーがある。流石に、岡山を出てからではもうシャワーチケットは残っていない。
4号車は1人用A寝台個室「シングルデラックス」と、2人用B寝台個室「サンライズツイン」。いつか乗ってみたいA寝台。
こちらも車内の通路部分に階段はなく、片側に寄っていて窓がある。個人的には、寝台特急の車内ってこういう、通路が片寄っているイメージがあるな…
このさき5号車は、ネカフェやフェリーの座敷席みたいな「ノビノビ座席」。寝台券が不要で安く乗れる号車なのだけれど、個室ではないので、流石に冷やかしで見に行くのも…もう夜遅いし…という気分になってしまい、結局行かず。
深夜の山陽・東海道本線をゆく
再びベッドに戻ってうとうとしているが、街明かりと車両の減速で目が覚める。もう姫路(23:33)。JR神戸線の終電(23:17 西明石行)が出たあとで、部屋から見えるホームに停まる播但線(23:33 寺崎行)・姫新線(23:21 播磨新宮行)も終電が出ているので人気はない。
次の停車駅は三ノ宮(0:11)、日付が変わってしまった。並行する阪急電車はまだ走っているようだけれど、車内の人もまばらだ。
せっかくなら大阪の夜景は見ておきたい。さっきまで寝ていたからそこまで眠気がないし、横になって景色を眺めながらぼーっと過ごす。ひっそりとした市街地を抜けてゆくと、淀川を渡るところで急に視界がひらけ、梅田のスカイラインの光が飛び込んできた。
ここ、とても好きかもしれない。
橋を渡りきると、うめきた地区の工事を盛んにしているのが見える。黄色い明かりに満たされた工事現場を掠め、減速しつつ大阪駅ホームに滑り込む。
大阪は時刻表だと2分停車で、0時33分発。
反対側の部屋だったら、あの大屋根や他のホームもよく見えたのかもしれないけれど、この部屋からは人気のない11番ホームが見えるきりだった。上りサンライズは大阪→東京の利用も便利と聞くので、もしかしたら、大阪から乗った人も居たのかもしれない。
ここから先は、明朝の静岡駅までは停車がない。
淀川を再び渡って、新大阪駅が見えてくるけれど、ここも通過してしまう。ここまでで結構寝ていたのだけれど、また眠くなってきた。トイレに行って、また寝てしまうことにしよう…。折角なので、カーテンはおろさずにおく。
ちなみに、我が2号車12番個室の最寄りトイレは、貫通路を渡って3号車に入ってすぐのところ。ただ、ここは独立した洗面台が近くになく、ハンドソープも見た限りでは置いていない。基本は車両1両分を歩いて、4号車や2号車のトイレまで行っていた。
で、結局京都に付く前には眠ってしまったらしい。
この先、Webで調べてみると、米原(1:41-1:43)、熱田(2:36-2:37)、豊橋(3:17-3:19)、浜松(3:43-3:45)とドアが開かない運転停車があるようだ。ぐっすりと寝て記憶がない…とおもっていたけれど、確か熱田で止まったときに目が覚めたのだった。
どうもやはり、駅への停車時は衝撃・明るさで目が覚めやすいようだ。ああ、熱田か、昔愛知に住んでいたから、懐かしいな…と思って、また寝てしまった。
朝の東海道本線をゆく
そして次に目が覚めたのは静岡駅、2分ほど止まって4時40分発。ここからはまたドアが開く。しかし寝ぼけていて、「ああ、もう浜松かあ…」と勘違い。でもしっかり写真をとっていた。
だんだんと日が出てきて眩しくなってくるのだけれど、静岡から先では部屋は北向きになるので、結局またグッスリ寝てしまう。富士’(5:10)も沼津(5:27)も記憶がない。しっかりと目が覚めたのは熱海(5:45)だった。
熱海~小田原は東海道線が海沿いを走るので景色が良い。海側は東向きなので朝日も見えるはず、ただ部屋は山側だからラウンジに見に行こう…と思ったが、同じことを考える人も当然いるわけで、すでに先客が2人。
結局ドアの部分の窓から相模湾を眺めることにした。相変わらず、根府川あたりはとても景色が良い。そしてサンライズからサンライズを見るという実績も無事解除。
小田原・平塚・茅ヶ崎と神奈川県の駅を通過していく。もういい加減明るいし、旅の残りも1時間くらいだ。二度寝はせずに景色を見ていることにした。自販機で買った缶コーヒーを飲みつつ過ごす。
相鉄線が見えてきて、横浜駅に滑り込む。6時45分、すでにホームにはかなりの人がいて、流石に気まずい。ただ、上段のカーテンは電動式なので、閉めようか迷っているうちに発車してしまった。
京浜東北線と並走しながらラストスパートをかけ、山手線が近づいてきて気づけば品川も通過。車窓はもう見慣れた景色で、それが却って不思議な気分にさせる。
横浜を出てからすぐに、荷物のまとめも済ませてしまって、降りる準備は万端。名残り惜しさを感じ始める頃には東京駅の赤レンガが見えてきて、列車は定刻7時8分に東京駅8番線ホームに滑り込む。
到着後
通路が狭いので混むと大変、頃合いを見てささっと下車。
さっきまでいた部屋を外から眺める。なるほどこんな感じ、やはり他の部屋と比べて、窓が2つあるのが贅沢な感じだ。
そのまま1号車の方に向かい、先頭を見に行く。軽く人だかりができていたが、まあ記念撮影程度なら無理なくできる。
ついでにそのまま歩いて、7号車と8号車の境目の連結部分へ。出雲市駅の時点では「サンライズ出雲」単独だったので、「サンライズ瀬戸」と繋がっている姿をここでようやく拝めた。よくよく見てみると、今回は「出雲」はJR東海所属の車両で、「瀬戸」はJR西日本所属の車両だったらしい。
列車が回送されていくのを待っていても良かったけれど、もうお腹が空いてしまった。駅ナカで早朝営業のお店はいくつかあった気がする。今日はこの後帰るだけだし、ちょっと並んでも美味しそうなものを食べて帰ろう。
むすび
初めての寝台特急。寝れなかったという評判を実は聞いていたのだけれど、案外寝れたな…と思っていたが、帰宅後は結局昼寝し夕方。いや、単に旅疲れか。
でも、他では味わえない楽しさが確かにあった。寝そべって、どんどん変化する星空や街明かりを眺め、深夜の人気のない駅に震え、あるいはそんな車窓を眺めてのお酒、なんて、他ではできない体験だろう。
「サンライズ瀬戸」も乗ってみたいし、東京発にも乗ってみたい。他のタイプの個室も試してみたい。日本最後の定期寝台列車、乗れるうちに味わい尽くしておかねば。
なかなか予約が取れなかったし、もうしばらく走り続けてくれることを願いつつ、また旅費を貯めておこう。