ぱらのみっく・ういんどう

ひとり旅のブログ。乗り鉄中心、バスに船、街歩き。ひとつのテーマをじっくりと…。

バンコク近郊ローカル線に乗って【タイ国有鉄道・マハーチャイ線 2023/夏】

メークローン駅といえば、メークローンの線路市場で(たぶん)全世界的に有名だろう。一方で、バンコク市内から国鉄メークローン線でアクセスしようとすると、鉄道マニア目線ではなかなかクセの強さがある。

 

まず、メークローン方面の列車は、他のタイ国鉄線から完全に独立した始発駅(ウォンウェンヤイ駅)から発車する。そして、途中のマハーチャイとバーンレームの間はターチン川で分断されていて、渡し船で渡ることになる。

この渡し船を境に、バンコク側のウォンウェンヤイからマハーチャイまでの区間を、通称マハーチャイ線と呼ぶらしい。

近郊非電化ローカル線って好きです。

2023年夏のタイ旅行では、バンコクからメークローン市場まで、メークローン線・マハーチャイ線を乗り継いで日帰り旅行をした。ハイライトはメークローン線側なんだけど、マハーチャイ線のいい感じの「都市近郊非電化路線」具合もとてもよかったので、紹介したく。

 

ウォンウェンヤイ駅

バンコク側の始発駅、国鉄ウォンウェンヤイ駅は、他の国鉄線どころか都市鉄道にも接続せず、完全に独立した駅になっている。一応、地下鉄にウォンウェンヤイ駅はあるけれど、わりと歩くので接続駅とも言い難い。

アクセスには地味に困る。結局、フアランポーン駅前に取ったホテルからシェアライドを使って向かうことにした。しかし出発時間を勘違いしていた上、渋滞にハマってしまう。車を降りると、ちょうどホームを汽車が出ていくのが見える。

まあ、知らん土地なのにギリギリに出た私が悪いのだ。仕方ないので、1時間後の次の便を待とう。

1面1線、低床ホームのシンプルな駅。

ちょっと洒落た切符売り場。有人駅です。

駅は1面1線の非常にコンパクトなもので、特段改札などもない。

日陰を得るためか、大きな屋根がホーム全体についている。その下にも屋台や商店が出ていて賑やかだ。美味しそうな匂いがホームにも漂うが、既にホテルで朝ご飯を食べてしまった。ちょっと勿体ないことをしたかも。

線路と道路の間にはガードロープがあるが、ところどころ切れていて行き来ができる。

線路を挟み、ホームと反対側は道路になっていて、バイクや自転車が結構走ってくる。まだ比較的涼しい朝の時間帯だから、歩いている人も多い。洒落たカフェやセブンイレブンもあって、ちょっと日本的な「駅前」の雰囲気と重ねて見てしまう。

線路内立ち入りも特段咎められないので、ホームや線路上を含めて、一体の街として動いている様がなんだか面白かった。

 

セブンイレブンでお茶を買うついでに、少し奥の方に歩いてみる。線路脇まで集合住宅がせまり、その軒先には商店が出ているようだ。こっちもなかなか魅力的なロケーション。街と鉄道の近さ具合は、日本で言えば江ノ電的というか。

少し奥まで。このあたりも活気があります。脇道に気になる商店街もありましたが、あまり離れて迷ってもいけないので、深入りはせず。

 

そろそろ列車の到着時間。フェーン、フェーンと汽笛が聞こえ、ゲロゲロゲロとエンジン唸らせながら、日本製のディーゼルカーがやってきた。どことなく親しみある車体の造りだけれど、こうも近くを通るとかなり迫力がある。

よく見るとここも「線路市場」で、線路際まで商品が広がっている。

大迫力。窓まわりの青い塗装がイカしてます。

列車を見送り、足早に駅に戻る。自由席なので、さっさと席を確保せねば。

ちょうどホームに戻ったタイミングで、時報が鳴る。ああもう8時か!国旗掲揚時の国家演奏で、駅スピーカーから国王讃歌が流れ始める。まわりのタイ人に合わせて立ち止まり、しばし清聴。

放送が終わると、駅はまた騒がしさを取り戻した。

ホームは昔ながらの底床ホームで、列車側にステップが付いています。屋台もたくさん。

切符を買おう。マハーチャイ線は無人駅も多く、車内で車掌さんからも買えるみたいだけど、ここは有人駅なので窓口へ。

きっぷはマハーチャイまで10バーツ(約40円)だった。

印刷しておいた公式時刻表の記載を読み違えて、20バーツと少しを出したのだが、駅員さんに不思議な顔で突き返される。どうも、エアコン付き車両が特別料金のようで、僕はそっちを読んでいたらしい。

そもそもこれから乗る列車にはエアコン車はないようだ。折角なら窓を開けて汽車旅を楽しみたいし、もとより非冷房に乗るつもりだったけど。

 

タイ国鉄NKF型/THN型

嵩上げがされていないホームから、列車の床面までは随分な高さだ。ツーステップバスが可愛く見えてくるような段差を、よじ登るように乗り込んだ。道路側の列車の扉も開いていて、道路から直接乗り降りする人もいる。

4両編成で、車内にはボックスシートが並ぶ。両端の各2両はプラスチックむき出しの座面で、まんなか2両がクッション付きシート。プラスチックシートのほうが「NKF型」で、クッションシートは「THN型」らしい。

先頭2両。プラスチックシートがならぶ。

中間の2両。合皮クッションの色合いも含めてすごく既視感。こちらに乗った。

2扉でボックスシートが並ぶのは、日本国鉄車みたいな雰囲気だ。日本製なので、きっと同じ設計思想なのだろう。みんな似ているな~と思うようで、日本人ファンからの通称は「タイのキハ47」だとか。

 

スパイスと国鉄の香り…。

ボックスシートを1つ確保した。窓は下降窓で、非冷房ゆえ開け放し。青い座席に銀のサッシ、さっきセブンで買った緑茶を置けば、あれ?青春18きっぷどこにしまったっけ?と不安になるような日本国鉄の香り。

灼熱非冷房国鉄型、気分は夏休みの18きっぱー旅!

帰国したのか?という気分になるけれど、飲もうとした緑茶の味がたっぷりの砂糖入りで、それがすぐに心をタイに引き戻す。

 

4305列車 マハーチャイ行き

8時35分、発車。マハーチャイ線はだいたい1時間ヘッドで、全線にわたってそれなりの乗車もあり、日本の地方都市の近郊電車な雰囲気。始発も終電もやたら早いのはタイだなあという感じだけれど。

車掌さんが鋏をチャンチャンチャンと鳴らしながら巡回してきたので、切符を渡して入鋏してもらう。

タイ文字よめない…。観光客が多い駅だと、英語のチケットが出てきたりもします。

しばらくはバンコクの街なかを行くが、ここが駅なの?という雰囲気のところも多い。高架道路の下に仮乗降場チックな設備だけだったりとか、ほとんどの列車が通過してしまうような、よくわからない駅もある。

もうすこしタイ慣れしたら、途中下車して鉄道風景スナップも楽しいかも。

ウターカート駅。2020年開業の新しい駅で、スカイトレインと乗り換えもできる、というのは、現地ではなかなか想像ができなかった。なんかすごい駅だなと写真を撮る。

 

始発から15分くらい走って、ワットシン駅でウォンウェンヤイ行き列車と交換。このときは、これが最初で最後の交換列車だった。

ワットシン駅。キレイに手入れされたローカル駅感、良いものです。

途中乗降もけっこうありました。ホームのこのやたら低い感じ、かつての日本もこんな感じだったんでしょうか。

段々と郊外へ、田舎へ。

やっぱりカラフルな寺院建築は見ていて楽しい。

Khan Keha駅、なかなか良い感じの駅名標が残っていた。

なんと手動の踏切が。重しのついた遮断感を警手さんが押し下げている。

タイの夏、マハーチャイ線の夏、2023。

田園風景に風に当たりながら浸っているうちに、再び街場らしくなってくる。線路は幹線道路沿に走り、小さな駅に停まり、そして建物がひしめく中に突入していく。

 

マハーチャイ駅

線路いくつか分岐すると、その先には市が立っていて、脇を汽車がスピードを落として走る。

マハーチャイにも立派な線路市場があるんですね。

マハーチャイ駅。たくさんのパラソルを前景にみると、市場の建屋に見えてくる。

踏切を越えると終着のマハーチャイ駅だ。大屋根に覆われていて、ホームはやや薄暗い。そんななか列車の写真を撮っている人が結構いるので、観光スポットにもなっているらしい。

到着。終点なのでみんな降りてゆく。

いい天気です。この奥は車両基地

先のローカルムードたっぷりの線路市場も気になるし、奥には車両基地もあるのだけど、しかしあまり乗り継ぎに余裕がない。あまり時間をかけて見ては回らずに、駅舎を出る。

駅前は海鮮市場のようになっていて、そのまま渡船の乗り場まで賑やかな通りが続いている。

にぎやか。メークローンまで行かなくても、普通にショートトリップ先として楽しそうだ。

魚市場。ちょっと生臭いが見ていて面白い。

ターチン川渡船

メークローン側の鉄道に乗り継ぐには渡船に乗らねばならない。たしか3バーツだった。雰囲気は概ね、尾道の渡船に近いものがある。天井は低めで、うっかり頭をぶつけてしまった。

人とバイクをギチギチに詰めてから動き出す。けっこう川幅は広くて、クルーズ感もありちょっと楽しい。

バーンレム側船着き場(THACHALOM)の雰囲気がめちゃくちゃ好みでした。

なんだか尾道感がすごい

メークローン線側は別立てでブログを書きました。こっちはこっちで楽しかった。

ptrmgn-nnhi.hatenablog.com

 

 

4308列車 ウォンウェンヤイ行

帰りに戻ってきたときは、マハーチャイの線路市場はもう閉じてしまっている。少し残念。

帰りのメークローン側からの接続はちょっと悪く、1時間弱待つことになってしまった。市場や駅構内を見学したりしながら、列車までの時間を潰す。

駅構内。服屋さんがあったりと、ちょっと市場っぽさもある。

踏切の中まで八百屋さんが侵食している。

帰りの便がやってきた。

ホームの端っこの方に立っていたため、列車が目の前に止まらず、乗り混むタイミングが遅れてしまった。かなりの混雑で、ボックスシートはすでに埋まり、ドア脇のロングシートになんとか座る。17時35分発。

ちなみにタイ国鉄はやけに終電が早く(マハーチャイ19時発)、この列車は終電2本前の便だったりする。

 

バンコクに近づくにつれ車内は更に混雑して、立ち客も増えてくる。学生もたくさん乗ってきて…というのは、JRの近郊路線なんかと共通する風景。どうもこのときは海外という気がしなかった。

日も落ちてきて、お寺の境内で夜市が立ち始めている。

ぼけっとスマホをいじっているうちに、ウォンウェンヤイには18時30分ごろ着。数分で列車はマハーチャイ方面に折り返して行ってしまった。

すっかり夕刻で、街は活気づいてきた。なかなかいい雰囲気だ。

ウォンウェンヤイ駅ホーム。午前の便と比べてだいぶ人が多い。

ようやく涼しい時間帯。バンコクはこれからにぎやかになる。

ウォンウェンヤイ街歩きをしたい気分になったけれど、このあとは友人とムーガタを食べる約束をしているので、また今度。シェアライドを呼んで、一旦ホテルに戻った。

 

むすび

半ばメークローン訪問のおまけでのった様なマハーチャイ線だったけれど、個人的にはこの「ふつうの」近郊ローカル線風情がとても気に入ってしまった。

一方で、ウォンウェンヤイ~マハーチャイは、将来的には国電会社ダークレッドラインで代替される計画もある様。時代に合わせてアップデートしていけるのは良いことだけれど、この路線もいつかフアランポーンと同じく、かつての古き良き時代の汽車旅風景…になってしまうのだろうか?

もしバンコクにまた長く滞在することがあれば、ぜひ機会を作って沿線をぶらついてみたいところです。

ある意味世界的有名撮影地、メークローン市場への旅【タイ国有鉄道・メークローン線 2023/夏】

2023年8月、もう大手を振って海外へ行けるだろう、と、初めてタイを訪れた。バンコクを拠点に色々行ってみようか…と考えたときに、思い浮かぶのはメークローン市場とメークローン線。

メークローン市場、あるいはタイの折りたたみ市場・線路市場、といえば、タイ王国の観光地としてはかなり有名な方ではなかろうか。もとより鉄道オタクの私はともかく、両親も、オンライン英会話のフィリピン人講師も知っていたくらいだ。

ベタではあるけれど、やはり実際行ってみたい気持ちが勝り、1日割いて鉄道で往復してみることにした。

 

 

バーンレム駅

バンコクのウォンウェンヤイ駅から鉄道で1時間、マハーチャイの街から、さらに渡し船で川を渡る。

船着き場からは少し歩く。

干物やさんが並ぶ通りを少し歩き、学校の前を通り過ぎ、本当にここか?と思うようなでかい倉庫の脇を抜けて、バーンレム駅に到着する。やや離れているからか、自転車タクシーやバイクタクシーが船着き場前で待機していたけれど、まあGoogleマップがあれば迷わず歩ける距離だった。

 

バーンレム駅

駅は簡素な1面1線構造。とりあえずは終点メークロンまでの乗車券を買う。10バーツ、約40円。水ペットボトル1本と同じ値段だった。列車は1日4本、チケットは30分前から発売、と掲示されている。

駅窓口。ちゃんと有人駅です。

折角だから、このあとやって来る汽車の写真を撮りたいなと駅周辺をうろつく。数年前の旅行記に「保線状況が悪く、線路と地面がほとんど同化している」と書かれていたが、しっかりとバラスト敷きに整備し直され、白く眩しい輝きを放っている。

 

保線用の車庫?と思しき場所の脇でカメラを構える。もっと奥の方まで探索したかったけど、なにぶん野犬が多いようで、やめておいた。野犬はバーンレム駅のホームにもいたので注意されたし。

しばらくして、フェーン、フェンフェン、と警笛が絶え間なく聞こえてきた。汽車が来たようだが、そのやかましさに反してなかなか姿は見えない。カメラを構えてしばらく待っていると、鮮やかなメークローン線カラーの3両編成の気動車がゆっくりとやってきた。

ジャパニーズ・トリテツ構図で1枚。この色の車体はメークローン線限定だ。

乗り遅れたら大変なので、足早に駅に戻る。

汽車が入ってくると、なかなか引き締まった風景になります。カーブしたホームがおしゃれ。

このとき、ホームと駅前道路が完全に分断されてしまう。迂回もできるが、別に汽車の中を通り抜けても良いです。

 

駅に住み着いている?野良の犬や猫。海外では狂犬病の怖さが勝ってしまいますね…。というか写真撮ってないでさっさと距離を取ったほうが良いんですが。

乗り込んで席を確保。日本製気動車というだけあり、ボックスシートの並ぶ国鉄のかほり漂う車内だ。

後ほど撮影した車内。シートこそプラスチックむき出しだが、アールの付いた席手すりにつり革の形状、ドア横のロングシートに網棚、窓のサイズと、どうも日本国鉄の雰囲気が強い。日本人ファンの間での通称は「タイのキハ47」だとか。

進行方向向き、左側の窓際に座れた。10時10分頃に駅を発車。盛んに警笛を鳴らしながらゆっくりゆっくり走り出す。

 

車内の人々と雰囲気

思いの外、バーンレム駅時点では車内は混まず、ゆったりと座ることができた。日本人の家族や欧米系、中国系の観光客は見かけ、国際的ではあるものの、なんだか地元の人も多そうだ。

ほどほど混雑。

次の駅ではボックスの向かい側にタイ人家族が座る。大家族のようで、いくつかのボックスに分散しながら座った。僕の前には、おばあちゃんと孫?と思わしき二人が座る。

しばらくは母親が来たりもしていたが、そのうち、後ろの方に兄弟か親戚がいるのに気づいたのか、窓から身を乗り出して「おーい!」と声を掛け合っている。なんとも微笑ましい。

もっとも、たまに伸びきった南国の木々が車体をひっぱたくような路線環境だから、ケガをしないものかヒヤヒヤもしてしまう。結局あとで車掌さんに注意されていたが、それもなんとも穏やかな雰囲気だった。

こういう汽車旅、思い出にのるんだろうなあ…。

このまま、まったりと閑散ローカルな雰囲気が続くのかと思いきや、いや世界的有名路線、そんなことはない。

終点に近づくにつれ、更に観光客が乗り込んできた。隣にタイ人ガイドが座ったと思ったら、こんどは恰幅の良い白人女性に席を譲る。終点に着く前には通路まで人が溢れ、その混雑っぷりは日本の通勤通学ラッシュとさほど変わらない。

どんどん混んできた。

都心から離れれば離れるほど混雑する近郊ローカル線なんて、なんとも不思議な状況だが、要はメークローン線乗車体験付きのツアーが沢山組まれているということだろう。ハイライト区間はメークローン駅前の1区間だから、どうしても末端側で人が集中してしまう。

 

 

沿線風景:美しい塩田地帯をゆく

汽車は、事前にイメージしていた「ヨタヨタ走るオンボロローカル線」をいい意味で裏切るように、かなりかっ飛ばす。保線状況が悪すぎて、減便・運休すらしていた時期があった、とはなかなか思えない走りっぷりだ。一度しっかり手を入れたんだろう。

保線拠点?にはPC枕木が積まれていた。かなり手入れはされているようだ。

 

単線だけど、そもそも1編成しか動かないので交換もない。だから長時間停車も基本的になく、強いて言えば観光客が多い駅では少し長めに止めている程度だ。

船場があったり、駅前に大きな寺院が見えたり。

タイらしいなあという風景。

 

やがて、気持ちの良い塩田地帯が広がる。田んぼのような、波のない四角く大きな水たまり達が、雨季の晴れ空を移している。シギやチドリのような脚の長い鳥がいるのも見え、海こそ見えないものの塩っ気を感じる。

どこまでも夏色の塩田地帯。塩田を見るなら、南側の席がおすすめか。

南国らしい植物が茂る中にはバナナもみかけたし、並走する未舗装の道で大トカゲが這っているのには驚いた。野良犬が勢いよく並走してくればやがて駅だ。

高架道路下、仮乗降場じみたローカル駅。

 

1日4往復しかない路線だけど、駅前には簡単な商店や食堂があり、地元の人がくつろいでいる。どこまでもローカルな、しかし生きた経済や生活も感じさせる風景は見ていても飽きない。

乗り込んでくる人はかなり国際的だ。

ツアーのバンがたくさん停められている駅もある。

メークローン市場通過を車内から

のびやかな塩田地帯の中を走っていたのが、だんだんと街場らしくなる。汽車がフェーン!と汽笛を鳴らす回数も増えて、スピードも随分落ちた。

だいぶ街場らしくなってきた。

踏切を渡るとついにメークローン市場に突入する。線路脇、汽車のすぐそこまで建物が迫り、そして汽車と建物の間にはスマホやカメラを構えた人々がみっちりと詰まっている。車内からも歓声があがり、みんな笑顔だ。

 

見下ろせば野菜や香辛料

ツアーガイドのタイ人が車内から「ヘロウヘロウヘロウヘロウ!!!サワディーカッサワディーカッサワディーカッサワディーカッ!!!」と大声で騒ぎ立てる。中も外も、カメラ片手に大騒ぎで手を振る。向かいの席の男の子も身を乗り出して、外の人と何度もハイタッチ。

 

市場に分け入るにつれ、建物のみっちり度合いも人口密度も増してくる。そこを列車は最徐行。これまたハチャメチャに人が集まる多い踏切を超え、大屋根のついたメークローン駅に到着した。

駅前の踏切にも人が密集。何がなんやら。

メークローン駅に到着した

駅構内でも沢山の人が待っていて、大変な混雑だ。汽車を降りる。低床ホームだから、飛び降りるといったほうが正しいか。

ぞろぞろ降車。ステップを降りなきゃならず、かなり進みはゆっくりだ。

なんかもうすごい…

構内にはジュース屋やら食堂などがあっていい匂いが漂ってくる。お腹はすいているが、汽車の市場通過を外からも見るのが最優先。改めてスリ対策だけ確認の上、駅を抜け出してメークローン市場へと向かう。

 

 

市場の様子

市場は踏切を挟んですぐそこだ。駅周辺は大変な混雑だが、踏切部分には警備員さんもいるので問題なく道路を渡れた。線路上にはテント屋根が広がり、足元のレールとマクラギの他にはここが鉄道線路上であることを感じさせるものもない。あいや、列車を象ったお土産はたくさんあったか。

衣類は割と見かけた。彩り鮮やかだ。

トロピカルフルーツも。このへんは観光客向けなのかな。

市場が成立した頃はもう少し地元向けの市場だったのだろう。今はかなり観光地化が進んで、駅側では装飾品やタイパンツ、ドリアン、ベタなお土産。駅から離れればカフェなんかもあり、ここで注文すれば座ってゆったりと汽車の通過を眺められる。ただ、地元向けの商店が全く消滅したわけでもなさそうで、八百屋のような店や、乾物を売る店も多々見かけた。

駅から少し離れたほうがローカル色は濃いかも。

列車通過を眺められるカフェ。

踏切につきあたって市場は終わる、こっちの方はだいぶ人も少ない。



列車通過を見守る①

汽車の時間だ。市場全体に注意放送が鳴り渡る。泰・英・中、かなり独特なイントネーションだったが、日本語の放送が流れるのには驚いた。日本人もたくさん来るんだなぁ。

ピンポンパンポーン!!と、タイの国鉄駅でおなじみのチャイムも響く。その後はタイ語で聞き取れなかったが、おそらく発車案内だろう。

もうすぐ発車時刻。

テントが畳まれ、商品が退けられる。人間は線路脇に引かれた安全ラインまで下がる。雨季の晴れなのでじわじわ暑いが、みんな今か今かと汽車を待つ。国鉄の人がやってきて、人や商品がちゃんと安全な位置にあるかを確認する。

フェーン!と、聞き慣れた汽笛とともに、ついに汽車がやってきた。最徐行でゆっくりゆっくりと走る。

さっき乗ってきた時とは逆の立ち位置だが、大騒ぎなのは何も変わらない。目の前、触れそうな位置を触れそうな速さで銀色のコルゲートが通り過ぎる。視線を上にやれば沢山の人が笑顔でカメラを構えながら手を振る。

「ヘロウヘロウヘロウ!」と、さっきの便でも車内からまくし立てていた、あのツアーガイドの声も通り過ぎていく。

 

汽車がすっかり通り過ぎれば、こんどはみんなが線路に出てきて、その姿をカメラにおさめる。それを後ろから追いかけてくるようにテントが畳まれ、商品も戻されて、またすっかり市場が出現し、沢山の人が歩いている。

毎日こんなお祭り騒ぎが展開されているのだ。

正直なところ、ベタな観光地だし、オーバーツーリズムに辟易するだけじゃ、と思って来るか迷っていたのだけど、こうも騒がしいと頭が非日常・オマツリモードに切り替わってしまう。ただただ楽しかった。案外自分はこういうの好きなんだなぁ。

 

さて、汽車がいってしまった。次に来るのは3時間後だ。ロットゥー(ミニバス)でさっさとバンコクに戻っても良いんだけど、あんまり調べてない。とりあえず、ソンテウ(乗合トラック)でアムパワー水上市場に行けるようなので、見に行ってみた。

アムパワー。シーズン外れで水も少ないけど、いい雰囲気。

列車通過を見守る②

さて、次の列車をどこで迎え撃とう?とまた市場をぶらぶら。とはいえ暑くて暑くて、もう疲れているので、ココナッツウォーターを出す青果店に吸い込まれた。

値段は20か40バーツくらいだった気がする。青いココナッツを包丁でガシガシ切ってもらいながら、そうか、ここで座って見ててもいいんだなぁと思う。ちょうど、線路向きの席を案内してくれたので、ココヤシの実にささったストローをゆっくりゆっくり啜る。

ここで見てってくれといわんばかりの席。人が前に立たなければ、だけど。

市場構内に多言語で注意喚起放送が流れ、市場のテントがどんどん畳まれる。線路沿いに人が集まってきた。幸いなことに?僕の前には人が来ないし、そのまま座っていよう。

遠くからフェーーーン!フェン!フェン!と汽笛が聞こえるけど、やはりゆっくり進んでくるから、なかなか姿は見えない。動画を撮っていたスマホが熱暴走でやられてしまった頃、ギャリギャリガタガタと走行音が近づいてきた。

ゆっくりと、しかしあっというまに、タマネギや唐辛子のめのまえを、3両編成の汽車は通り過ぎていった。

店のお姉さんにありがとう、と告げて青果店を出れば、やはりもうすっかり元の市場に戻っている。

 

帰路:ローカル駅舎観察

次の汽車で帰ろう。発車は1時間後の15時30分だが、なにぶんこの暑さで疲れているし、座れなかったらしんどい。

駅では切符はもう売られていたので、バーンレム、アダルトワンパーソン、と10バーツを差し出すお決まりのやり取りを終えてから、さっさと汽車に乗った。無事ボックスシートを確保し、ぼーっとして過ごす。

窓サッシを引っ掻いて落書きする文化、なんとタイにもあったらしい。(黄色でハイライト)

帰りは行きほどの混雑ではなかったが、それでも沢山の人が乗り込んできた。やはり車内も車外も大騒ぎで市場を通過する。

出発進行!

午後は雲が出てしまった。しかしまあ、何度も思うがすごいところを走る…。

今度は、行きとは反対に、北側(バーンレム行で進行方向左側)に座ってみた。こちらでは、色々と駅舎を見ることができて面白かった。

Lat Yai駅。ツアー拠点なのか、ここで観光客が一気に降りる。足もとが結構ボロいぞ。

Ked Muang駅。いい感じに待合室がボロい。

Bang Thorat駅。ホームがないような…というか駅名標そこなんだ。

Ban Bo駅。なんだか駐輪場みがある。

Bang Krachao駅。秘境駅ポイントが高いが、降車客がいた。

駅ごとにツアーの観光客はどんどん降りてしまい、バーンレム駅につく頃にはローカル線の雰囲気を取り戻していた。ただ、ローカル駅でも乗り降りはそこそこあったから、地元の日常利用もそれなりにあるのかな、と思う。

バーンレムの街に戻ってきた。

駅到着。降りるときは、やっぱりちょっと怖い。

このあとは友人と飯の約束があるから、渡し船とマハーチャイ線に乗り継いで、さっさとバンコクまで戻らねば。

 

結び

まず今回、メークローン線に乗るかは結構ギリギリまで迷っていた。

そもそも有名観光地に行ってもなあ……混んでそうだしなあ、という気持ちが大きかったのだ。結局行くと決めたのは前日である。発展著しいバンコク近郊、案外こういう風景はアッサリなくなり得るし、少しでも気持ちがあるなら行ったほうが良いかな…と思ったので。

行ってみたら、これはこれでとても楽しかった。どうも僕は、混雑は苦手でも「お祭り」は大好きらしい。観光客目線で見ても、オーバーツーリズムを感じはしてしまうもの、それでも八百屋のおっちゃんが楽しそうに列車の通過を見守っていたのが印象的だった。

個人的にはやはり、行っておいてよかったなあ、と思う。

時間を優先して、ツアーに申し込むんじゃなくて、汽車で自力で行ったのもなかなかいい経験になった。窓開けて夏のキハに乗るのは、もうそろそろ日本ではできなくなりそうだけれど、タイでならもうしばらくは味わえるだろう。

これからは海外でも、色んなところで乗り鉄をキメていきたい。

バンコクで「都会のローカル船」に乗る【センセープ運河船・2023年夏】

バンコクの都市公共交通といえば…やはり緻密なバス網が第一。そして高架電車に地下鉄、国鉄電車と、最近は着実に軌道系交通の整備も進んでいる。

一方で、かねてよりの交通の主役は船だろう。今でも、チャオプラヤ川をゆくエクスプレス・ボートなんかは有名どころで、特急や急行が走り、駅のごとく「船着き場番号」が設定されていたりもする。都市交通としての船がある、という素敵さに憧れてしまう。

チャオプラヤー・エクスプレス・ボート。王宮地区やショッピングモールも結び、観光にかなり便利です。種別は船上の旗で表されていて、終日運行のあるオレンジは急行相当。

そんなわけで、チャオプラヤ川のボート乗船はやりたいことリストに入れていたのだけど、現地在住の友人とメシを食べながらその旨を話すと「このへんにもボートが走ってるよ」と教えてもらった。

気になったので、予定にねじ込んで乗りに行ってみよう。

 

センセープ運河船(Khlong Saen Saep boat service)

友人からはざっくりと存在を聞いただけなので、ホテルに戻って下調べ。GoogleMapを拡大してみると、たしかに細い運河に港のマークがある。

それは「センセープ運河船」というらしく、バンコク中心部では空港鉄道と高架電車の間を走り、郊外方面に放射線として伸びてゆく。

下記のように系統が途中で切られていて、Pratunamで乗り換えが必要だが、切符は通しで購入可能であり、一体的に運営されているようだ。

  • パンファ・リーラード(Panfa Leelard/W4)~プラトゥナーム(Pratunam/CEN)
  • プラトゥナーム(Pratunam/CEN)~ワット・スリブンルアン(Wat Sriboonruang/E22)

路線図…にもなっていないけどイメージ図。都市鉄道を補完するように走ります。

今回はPanfa Leelard(W4)からPratunam(CEN)までの区間に乗る。観光向け?の英語名称では、”Golden Mount Line”と呼ばれているようだ。乗船場ナンバリングでは、西側の区間だからか、「W」を充てられている。とりあえず脳内では「金山線」とか「西線」とか呼んでいた。

 

Hua Chang乗船場

高架鉄道2路線が交差する、バンコク随一のハイストリート、サイアム地区。

ドンキやカラオケまねきねこ8番らーめん等が出店しているMBKセンターに「ここ北陸の街なん…??」と戸惑いつつ、高架鉄道沿いのパヤータイ通りを北上すると、橋の麓にHua Chang乗船場がある。

 

…はずなのだが、ほんとにここか???

車道の脇の道は運河に突き当たり、右手は橋の下で行き止まり。左手には、薄暗い屋根付のもと、勝手口の裏手のような、あるいはガレージのような空間があるが、覗き込むのをためらう。

なかなか入りづらい。

同じく乗るつもりだったらしい、近くの日本人観光客は、迷った末に「一つ向こう側の道なのでは?」引き返していってしまった。不安しか無いが、いや、よく見ると道の左手にHua Chang Pierと看板が出ている。アヤシイ屋根の先に入っていくのか……?

 

迷っていたら、欧米系の観光客が中から出てきた。とりあえずうん、看板は出ているし、駄目なことはなかろうと意を決して進む。屋根の下は簡単な屋台街になっていて(駅前商店ならぬ桟橋前商店?)そしてその奥に確かに乗船場があった。

華やかなるサイアムから、なんかすごいところに来ちゃったな。でも広告があったりと、ちゃんと生きた交通機関を感じる。

おお、本当にここかぁ、と周りを見ていると、目的のPanfa方面の船が来て、すぐに行ってしまい、乗りそこねた。まあ、次の船を待とう。

頻繁に船が来る。両方向とも同じホームなので、間違えないよう注意。

都心の運河だけあってあまり綺麗とは言い難いが(というかドブ)、まあ、水被ったりとか落ちなきゃ別に良いのだ。ただ結構波も立っているので、乗ってたら飛沫が飛んできそうで心配ではある。

チャオプラヤ川より川幅がぜんぜん狭いし、直角のコンクリ護岸だから、船が通ると波が反射して大変な揺れが起きている。

 

駅名標”(駅ではないが)は泰英2言語表記。簡単な路線図や運賃表もある。

船場は、運河の片側に設えられた「ホーム」と屋根があり、簡単な運行経路図や乗船場名標、運賃表、乗換案内…と、鉄道駅に近い雰囲気がある。それも、近代的なメトロとかじゃなく、東武亀戸線とかのような「都会のローカル線」の雰囲気だ。

運賃表はいわゆる三角運賃表で、文字が小さくて読み取りづらく、読むを諦めてしまった。乗ってから聞けばいいだろう。

 

Panfa Leelardへの船旅

しばらく待ち、Panfa方面の船がザブザブとやってきた。

結構かっこいいと思うんですよ

中央の乗り口から船内に入る。

とりあえず座り、運賃筒をもった船員氏に「ぱんふぁ、りーらーど!」と告げたら12バーツの切符を見せてくれたので、10バーツ札と1バーツ貨2枚を渡して、入鋏がわりに少し千切られた切符を受け取る。

船内の様子。全体的にオレンジ色。

船体中央に乗り口とエンジンがあり、船頭と船尾に向かって通路が伸びて、その両側に進行方向向きのシートが並んでいる。屋根にはオレンジ色の救命胴衣がびっしりと敷き詰められ、窓を覆う透明ビニールは曇ってしまって外がよく見えない。都市河川交通は過酷だ。

ちなみに今回、行きも帰りも終点まで乗ったので知らなかったけど、天井にはバスのごとく降車ボタンが設置されていたようだ。

窓には水よけのビニルが貼られているので、景色はあまり良くない。

かつては(と言っても数年前らしい)船体中央の通路がなく、窓から直接乗り込むし、集金の船員氏は外の梁を伝い歩き、乗船客は水しぶきにあわせてブルーシートを持ち上げたりしていたらしい。ジャングル・クルーズ感すらあるその頃に比べれば、今は随分乗りやすいのかな?

 

外はよく見えないが、まあ都市河川沿いってこういう景色だよね、という雰囲気の中をゆく。ものものしい護岸のそばにはトタンの低層住宅が並び、遊んでいる子供や洗濯物や。下町の雰囲気だ。華やかなサイアムを見たあとだと落差も感じるが、船内の治安は全く悪くなく、観光客と地元客とがほどよく混ざっている。

帰りの便だが、離合シーン。結構スリルがある。

船同士が離合するときは、相手方の波をお互いに受けてひどくグラグラと揺れる。船着き場は川の両側に配置されているため、狭い川幅を右寄り左寄りと走り、なかなか気を使いそうだ。日没後の運行が無いのも頷けるというか……

国鉄線をくぐって、運河と交差して、思いの外あっという間にPanfa Leelard。ここまでの旅行で、赤バスやシェアライドで酷い渋滞に巻き込まれてきたから、これは便利なものなのだなぁとしみじみ感じる。

終点が近くなると、みんなさっさと中央に集まり下船準備。

 

Panfa Leelard乗船場

船着き場はここも簡素なものだが、道路とをつなぐ階段脇にも屋台が出ていた。階段を登りきれば、トゥクトゥクが何台もいて、ミニマルながらしっかりと「駅」を感じる。

Panfa Leelardは「パンファ橋」の意味のようで、船着き場の近くに小さいが美しい橋がある。

駅前っぽい雰囲気

カオサンロードも近いが、気になっていたワットサケットが徒歩圏内。私は歩いちゃったけど、運河をまたぐ橋に歩道がなくて少し怖いから、トゥクトゥク使う人もいるのかもしれない。

こんな感じの運河です。この辺はちょっと広い。

橋上。普通に怖いぞ!

ワット・サケット。バンコクが一覧できます。
運河線の英語路線名「Golden Mount Line」はここのことを指しているようです。

観光を終えて、パンファ・リーラード船着き場に戻ってきた。ワット・サケットで夕立が激しく降り出し、これ帰り大丈夫なのか?となったけど、30分ほどで止んでしまい、今は雨上がり。雨季といっても長雨ではなく、たまにアホみたいに降る、ということらしい。

 

Pratunamへの船旅

もう船が来てるのでさっさと乗り込みます。

岸壁に降りるとちょうどボートが来ている。早速乗り込んで、今度は空いていた船の先頭に座ってみた。

出発すると、船着き場の先、橋をくぐった先にある別の運河との合流部が少し広くなっ他場所まで進む。船はそこで180度向きを変え、Pratunam方面へと走ってゆく。

操舵席の真後ろに座れた。

180度向きを変え。後続の便がすでに到着している。

切符売のとき、先の経験からてっきり12バーツ均一だと思いこんでいて、20バーツ札を渡したら20バーツの切符を渡される。あ、やべ、間違えた、となる。目的地までは後で調べたら18バーツだったらしい。調査不足ですね。現地じゃよくわかんなくて…。

 

切符。結構好ましい様式で、お気に入りです。

まあ、当地でも結局「ここ距離別運賃なんだ!きっぷのコレクションが増えた!」位にしか思ってなかったんだけども。

 

波が低いタイミングを見計らい、ビニルシートの隙間から写真を撮る。

先程よりも幾分暗くなったバンコクの運河を舟はゆく。操縦席とは特に区切るものもなく、船長のいろんな動作が見られて面白い。やがて子供がやってきて、操縦席脇に寝そべりだしたが、特に咎める様子もない。船長のお子さん?なんだろうか?

まどろむ子供と、なんかすごいところ歩いている船員さん

あっさりと到着。先程のPanfa行き便よりかなり人が多い。

 

Pratunam乗船場

やはりあっというまにプラトゥナームに着。運河ボートはここから先も運行しているが、系統はここで切られていて乗り換えとなる。

縦列でとまるから、乗り換えは楽ちん。

この運河線、むしろこの先の区間のほうが、ここまでの区間の数倍は長い。また更に奥地には電気ボートが走っているようで、いつかずっと船を乗り継いで行けるところまで行ってみたくなる。

Pratunam。鉄道臭さのある相対式ホーム…いや相対式岸壁?

プラトゥナームのホームは相対式、発車案内のLCDモニタなんかもついていて、ほとんど鉄道のようだ。夜は早く、もうすぐ運行は終了してしまうが。

Pratunam周辺はかなりの繁華街で、少し歩けば幾つものショッピングモールにぶつかる。衣料で有名な市場もあるとか。近くのチキンライス屋を友人が勧めてくれたから、とりあえずそこに行ってみよう。

 

むすび

自分は昔から「水上バス」というのに憧れがあって、観光向けでなく、実用としての都市河川交通をずっと体験してみたかったのだけれど、センセープ運河船はかなり理想に近かった。紹介してくれた友人には感謝だ。

早いし、安いし、各施設へのアクセスもよい。ドブ川だから好き嫌いは分かれそうだけど、水しぶきだけ気をつければ、結構便利な乗り物だった。バンコクは他の運河でも電気ボートが運行されていたりするので、公共交通で運河巡りも楽しそう。

ちかくの展望台より、青色が運河船、緑は高架電車。ガッツリ都心ですね…。

(note更新) 初めての広島電鉄を歩く【2023年・GW】

 

2023年のGWは、山口から岡山まで山陽筋を旅しました。宇部線小野田線に、スカイレール尾道渡船、黄色い115系…いろいろ拾っていったのですが、一番時間を割いたのが広島電鉄です。

前々からずっと行ってみたかった。写真中心でnoteにまとめ、4記事もできてしまいました。

 

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これでもまだまだ巡りきれていません。また行きたいものです。

 

note記事内にもちょっと記載しましたが、訪問後、広島駅電停の架線高さが下げられ、菱形パンタグラフをもつ3003号は入線しなくなったようです。さらにダイヤ改正で系統に変化が生じ、その影響か1形式1車輌の旧型車がほとんど車庫から出てこなくなったと聞きます。

まあ、GWに思い切って行っておいてよかったとも言えますが、寂しいですね…。今回縁がなかった582・602・762・913、また本線上で撮ったり乗ったりできる日が来るのを願ってます。

 

駅前大橋線の工事もじわじわ進んでいるようですし、いずれにせよ今後のさらなる変化を楽しみにしておきましょう。

 

(note更新) とさでん交通を訪ねて【2023年・春】

2023年4月。成田からのLCCで、週末弾丸高知をしてきました。とさでん交通の乗車と撮影が目的です。写真中心に、noteを書きましたので、よろしければぜひ。

 

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とさでん交通、ずっと行ってみたかった存在です。

どうも最近撮り鉄欲がムンムンと湧き上がっていたのと(長電3500系追っかけの影響ですね)、いろんな写真を見て、久々に「トラム鉄」をしっかりやりたいな…という思いがありました。

 

 

そんななか、とさでん交通の今後を憂うようなニュースが流れます。経営が厳しい…というか、そもそも車輌・設備更新が全く追いついていない。今のままじゃ置き換えに100年くらいはかかってしまう、という内容のもの。

私に何ができる訳でもないのですが、気づくと成田~高知のジェットスター電子航空券が手元にありました。1ヶ月前くらいに予約すれば、土日でも案外安いんですね。

 

あるいは、ちょうど仕事で苦しい思いをしていて、なにか逃避を求めたのかもしれません。

 

 

結果として、路面電車にはセラピー効果があることがよくわかりました。

 

 

このあと、タイミングを見つけては飛行機のチケットを探し、広島・岡山・松山・長崎と彷徨うことになります。最近人生がちょっと楽しいかも。そんな根源に、このときの高知の記憶があります。

 

高知もまた、時期を変えて行かねばなりませんね。普通に観光もしたいです。涼しくなって、非冷房車が運用入りする頃が狙い目でしょうか。

(note更新) 長野電鉄3500系、最後の一般運用を追いかけた日々。【2022-23・年末年始】

2023年1月、長らく地元長野を走っていた、長野電鉄3500系が引退しました。

引退を記念し、最後の一般運用に入る、とのことで…。その期間中、2022年12月31日から2023年1月3日まで、帰省のついでに追いかけた記録をNoteにしたためました。

(写真中心です)

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電車といえば長野電鉄信越本線、そして、長野電鉄といえば普通電車の3500・3600系と特急電車2000系、という環境で育った私。

須坂駅のスイミングスクールへ、権堂のグランドシネマズへ、駅前の理容店へ、松代遠足へ。鉄道オタクとして、以外にも、日常のいろんな思い出の中にこの電車がいます。3500系の引退は、一つまた、懐かしい地元の風景が過去帳入りしてしまうことになります。

寂しさはありながら、チャリにまたがりカメラ片手に沿線を追いかけ、フリーきっぷを買って1路線をじっくり乗り回す……そんな忘れかけていた楽しい経験に、最後に導いてくれた3500系N8編成には感謝です。

 

せっかくなので、Twitterにカウントダウン風に毎日アップロードしていた写真も、こちらに貼っておきます。昔のデータは飛ばしたりしてしまい、馴染みの割にはあまり写真がないのが惜しいのですが…。

2014年1月9日 朝陽~附属中学前 
おなじみ「朝陽インカーブ」の近くですが、田園風景の中、飯綱山バックや志賀高原バックで撮れる、とても気持ちの良い区間でもあります。

2014年9月16日 附属中学前駅
硬券入場券集めに熱を上げていた頃、ちょうど来た3500系と駅舎。ながでんの有人駅=入場券発売駅も、思えばずいぶん減ってしまいました。

2015年11月22日 信濃竹原駅
駅舎公開&硬券入場券発売イベントで、信濃竹原へ。このときは、確か自動車運転の練習も兼ねて訪問しました。ローマ字なしの幕がなんだか懐かしいです。

2018年8月17日 善光寺下駅
この頃には進学で長野を離れています。撮影日的にも帰省のときの写真でしょう。こういう、何気ない雑なカットも、今となっては貴重なもの。やはり地下区間が似合います。

2019年12月2日 長野駅
だんだん帰省しても見る機会が減っていました。そろそろ…と思っていた頃。

2020年1月2日 附属中学前
見かけるたびにカメラを構えていました。長野は大洪水で色々大変だった時期で、あまり沿線を駆け回るとかはできなかったのですが。

2022年1月2日 市役所前駅
その後、そもそも帰省もやりづらかった時期…。久々の年始の帰省、ちょうど見かけたので、1区間だけ乗ってみました。このあと22年4月以降は運用がなく、もう動かさないものと思っていましたが、最後に一般運用入りしたのは前述の通り。


3500系は2回もオリンピック輸送に関わった、なかなか稀有な車輌でもあると思います。埼玉在住の友人も見送りに来たりと、広く愛された電車なこと、改めて感じました。(東武線ユーザーの彼いわく、長電は東武車はいないけど、車輌から東武を感じると。田都線に日比谷線と、確かに…)

最後の一般運用も、鉄道マニアばかり…では決してなく、志賀高原に向かう外国人観光客に、初詣に向かう善光寺平の人々に。特段の装飾もなく「いつもの電車」を貫いていました。そのせいか、正直あれから半年がたった今でも、帰省したらしれっと走っていそうな気がしてなりません。

 

3500系、お疲れ様でした。ありがとう。

Pトップと急行型客車で峠の麓へ【ELぐんま よこかわ・2022年秋】

帰省ルートについて思案。いつも新幹線一本で帰るけど、今回は日程に余裕もあるし、ちょっとばかし寄り道してみたい。色々考えたり「えきねっと」を見ていたら、ちょうど「ELぐんま よこかわ」の横川行きが空いていた。そういえば乗ったことがなかったし、ちょうどいいかなと予約。

 

 

当日。東京→高崎だし、指定席を取るほどでも…と思って乗り込むと、連休初日の上越新幹線の自由席は大混雑。案の定座れず、混雑する新幹線のデッキに立ち、高崎駅に向かう。ホームに滑り込む少し前に煙が見えて、下を見ると蒸気機関車青い車両がつながっていた。なるほどあれが来るのか。

青い客車!ちらっと見えた。

高崎は雨降り。あるき回るにも…微妙。と思いつつ、しばし時間を潰し、再び駅構内に向かう。「ELぐんま よこかわ」は2番線発着だ。

こういうときは向かい側からスッキリ写真を撮ったりしたいけど、1番線は封鎖され立ち入れない。大人しく柱のそばで待つ。

 

高崎駅入線

9時35分頃、上野方面から列車がやってくるようだ。天気も悪いし、駅舎の影で暗く、ホーム上は人が多いしで、よく見通せない。それでも、汽笛の音から列車が入ってきそうなのがわかる。点字ブロックを越えぬように、と、盛んに放送して注意喚起をしている。

だんだんと列車の形らしきものが近づいてくるのがみえる。

おお、来たかな…??

おお!!Pトップじゃん!!!

今日はEF65-501の牽引だった。機関車の下には人たち、前方を注視している。
それにしても随分とゆっくりだ。

 

 

当日の編成

EF65の後ろには青色の12系客車が5両。そしてその後ろは、高崎時点では見に行かずにわからなかったのだけど、安中で確認したところD51496だった。

 

SLぐんま は日によって編成が変わるが、今日の編成は下記のとおりだ。

(横川) EF65-501+12系5両D51 498 (高崎)

横川駅は構造上機関車の付替えができないので、かならず前後に機関車がつく、いわゆるプッシュプルの動きで走ることになる。

高崎地区の客車観光列車は結構マニアックな方面のバラエティに富んでいて、ほかにもC61、旧客、EF64-1000やDD51が来たりもする。

Pトップ:EF65-501

そのなかでも、EF65-501が来たのは素直に嬉しかった。東海道方面のブルートレインなんかを引いていたことで有名な、EF65型500番台の旅客タイプ1号機。鉄道趣味界隈ではPassenger型のトップナンバー、の意でPトップと呼ばれていたりする。

めちゃくちゃキレイなボディに愛を感じる。

かなり歴史ある車両。引退したら鉄道博物館に入ってもおかしくないような車両だし、今の今まで活躍しているのだって、動態保存的な意味合いが強いのだろう。

しかしながら、もう客車列車なんてJR線にはいないし、観光列車以外でのメイン業務だった工事列車や列車回送向けにも新型が登場。最近はJR東日本・高崎地区の電気機関車が立て続けに廃車されている状況で、趣味界隈でも、EF65-501だっていつまで走るのか…という雰囲気がある。

うしろのSLのほうが人気かな、と思いきやPトップも大人気。

まあ、数年前から廃車説は出ていて、結局まだ走るんかい!という部分はあるけれど。それでも車両も古いのだから、早めに見ておけるのに越したことはない。

 

まあ、色々書くが、なによりカッコいい!見てみたい!というのがずっとあったので嬉しかった。ブルーとクリームの優美な配色、横に細長い窓、その下のグリル、青い客車、昔図鑑を見ては絵に書いた「ブルートレイン」がいまここにいるのだ…。まあ、Pトップが活躍した時代には、まだ私は生まれてないんだけど。

このアールのついたお顔がいいんですよ… (@横川駅)

12系客車

後ろにつながる12系もなかなかに貴重だ。改造車はそれなりに存在しているものの、数は減りつつある。

2ドアに大窓が連続する姿、私になぜかメチャクチャ刺さる。 (@横川駅)

いちおう急行形客車に分類される。急行なくなり久しき今、そもそも急行形というのも風前の灯火である。ディーゼルならいすみ鉄道のキハ28、電車はえちごトキメキ鉄道のクハ455がそれぞれ「最後の1両」だ。どちらもわりと、先は見えている。

急行型自体が好きなのかも。写真のいすみ鉄道キハ28は、23年2月で引退。

それに対して12系グループはもう少しの間残りそうで、国鉄の「急行」というものの雰囲気をしばらく伝えてくれるのだろう。

 

筆がのっていろいろ講釈をたれてしまった。一方、このとき現場にいた私は、ホームの端っこでひとしきりシャッターをおして満足し、ちょっと早めに車内へ向かう。

本日のお席

事前にえきねっとで見た通り、車内のボックスはすべて埋まっている。ただ、私は一人旅だったけれど、1ボックス専有できてしまった。確かに、なかなかこの状態を見て、予約も入れづらいな…と少し申し訳なくも、しかしせっかくなので贅沢に使わせていただく。

家族で盛り上がるボックスもあれば、私のような一人旅もいて、子供にマニヤに、いろんな人を載せている。

発車が近づく。わりとギリギリまで外で写真撮ってる人が多い印象。

ちなみに各車両1ボックスは荷物置き場になっていて、ここは大荷物やベビーカーを置くのにご利用くださいと放送があった。なるほど、古い客車だからスペースは少ないけど、こういうふうに対応しているのか。

トイレと洗面台は大理石張りに美しく改修済で、女性専用トイレもある。水回りがしっかりキレイ、というのは、現代の列車として大事なのだろう。

水回りはぴっかぴかで、ここだけ昭和じゃない。

高崎→安中

9時48分の定刻にホームを発車。案外、高崎駅に止まっている時間は短い。

ELが、ぴきぃぃぃぃーー、と警笛を放ち、それに呼応してSLがぶぉおおおお、と汽笛をあげ、ガッコン、と揺れて動き出した。

行ってきます!

初動の揺れが大きくて、ああ、客車らしい感じ、と思ったが、走り出してしまえばすごくなめらかだ。3号車には発電用エンジンもついていないし、実に静かにコトコトと走る。線路もかつての幹線・信越本線だから作りがいいのだろう。

 

ちゃらららららん、らららららん♪
ハイケンスのセレナーデが流れ、自動放送が始まる。軽く運行の案内をしてから、牽引する機関車の紹介に入る。この列車は「ELぐんま」であるから、後ろについているSLではなく、先頭で引っ張るEL、電気機関車の説明だ。

EF65-501の説明や、ブルートレインとして活躍した線路などに加えて、鉄道ファンにはPトップと呼ばれ親しまれています、なんて話もあり、やはりしっかりと主役。

「旅」だ

もう一度ハイケンスのセレナーデが流れ、車掌放送が終わる。続いて車内販売のご案内。子供向けには冊子を配りますと案内が入る。

限定のお弁当とか、お菓子や飲み物、Tシャツまで売っているらしい。この車内販売、3号車の中程にある私の席で見かけたのは、もうだいぶ旅の終わり頃。歩みが遅いわけではなく、どうも安中でホームに降りている間に一度通り過ぎ、折り返してきたところだったようだ。やはり今日繋がっている方のグッズが人気なようで、このときにD51のTシャツは早々に売り切れて、C61だけが残っているというような会話が聞こえてきた。

すっきりしない天気。まあ、こんな日もある。

車窓はどんより曇り、時折雨。スピードはさほど出さず、スマホに入れているGPS速度計を見ると45km/h程度で、のんびりしたものだ。それでも快速なので駅を次々に通過してく。

こんな雨の中でもやはりPトップ牽引は魅力的なのか、沿線でちらほらカメラマンを見かける。畑地に沿って咲く真っ赤なヒガンバナと絡めて撮る人もいて、なかなか素敵な写真になりそうだ。ヒガンバナの赤はどんよりした車窓にも特によく映え、そして今日が秋のお彼岸であることを思い出す。

こんな天気だから、赤い彼岸花は目を引く

群馬八幡をすぎたあたりで、今度は12系客車の説明がある。どことなくマニアックで、かつて12系が使用されていた、ということで、夜行急行ちくま(長野〜大阪)とかの名前も出でくる。どうも、鉄道を学ぶ、という需要を満たそうという雰囲気がある。まあ終着駅の横川には「鉄道文化むら」もあるから、乗っている人はきっと何らかの形の鉄道好きだ。

本日のきっぷ。

安中の手前で車掌さんが切符の確認に来た。指定券と乗車券をそれぞれ手元に用意しておきさっと出す。乗車券の方は特に見られず、指定券にスタンプを押してから返さえた。そうか、高崎〜横川はSuicaエリアだから乗車券は持たない人も多いのだろう。

 

安中駅

山肌を埋め尽くす東邦亜鉛の工場が左手に見えてくればもうすぐ安中。

ここすき

安中駅には3分遅れの10時7分に到着。雨だからだろうか?本来は8分ほど止まるが、遅れたので停車時間が短くなってしまった。それでも12分の発車までの5分間でホームへと降り立ち、後ろの蒸気機関車を見に行く。

 

D51-498

先述の通り、高崎時点では後ろにどの機関車がついているのかわからなかったが、ここでおなじみ?D51-498だというのがわかった。

D51-498

D51-498は、正直雨に嫌気がさしてあまりあるきまわらなかったので、よく見れていない。割と色んなところに出てくるイメージで、幼き頃に篠ノ井線の明科とか、信越線の豊野とかに見に行った覚えがある。お久しぶり、だ。

「ぐんま車両センター」になかなか慣れないオタク。「高」じゃなく「群」

蒸気と煙、熱気、そして音。カマに火の入った蒸気機関車というのはやはり力強さがある。石炭臭いのもまた楽し。この便の主役はあくまでELの方とはいえ、やはりSLの魅力に抗えるものではなく(?)、雨が降り続く中でも写真を撮りに来る人が多い。

点検確認も行っているようで、状態チェックを兼ねた停車だろうか。

東邦亜鉛と蒸気。

JRの人も、背景の工場と蒸気機関車のコラボレーションをお楽しみください、と案内をしている。ちょうど工場方面が開けたところにとまり、これはなかなかカッコいい。スチームパンクくささがあるというか。

 

しかし、安中はぜひとも工場夜景を見に来たいですね。計画立てるかあ。

急いで戻る

結局すぐに時間は来てしまう。そそくさと客車に戻る。横川駅についたあとにたっぷり時間はありますから、と親切に乗車を急かす声が外から聞こえた。席について、発車時刻を待つ。

 

安中→横川

結局1分遅れで発車して、ふたたび雨の中を走る。工場の中に入ってゆく引込線が見え、こういう風景は健康によい。

あ~、ここを列車が走るシーン、見てみたい

安中を出ると田園地帯が広がる。少し離れた道路を並走する車、その後部座席で手を降っている子供が見える。緑の中に大きなカントリーエレベーターが見えた。

穀倉地帯にきたな~という気分になる、カントリーエレベータ

お次は磯辺。〜〜〜発祥の地、という放送がよく聞こえなかったが、2回めでわかった。温泉マーク♨発祥の地だった。聞いたことあるなそういえば。

その磯辺はすぐの発車で、ホームには降りないよう、という案内が入る。

磯部。磯辺焼き食べたい…いや漢字が違うわ。

磯辺から松井田あたりは信越化学工業の工場が連なっている。グループの信越半導体の工場もあって、こちらはシリコンウェハが世界トップシェア、持ってる電子機器のうちいくらかの成分はここ出身なのかもしれないな。信越本線群馬県区間、安中をはじめとして、けっこう工場風景がよく見えるのだなあと思う。

信越化学工業碓氷峠が廃止となり、信州・越後まで行けない信越線の群馬県区間で、もしかして唯一の信越要素なのでは?

 

だんだんと左側車窓に妙義山が主張を始める。案内放送の通り、松井田駅を通過してすぐの橋を渡るとき、パッと景色が広がりその異様な山容を拝めた。この天気ではさすがに榛名山は見えなかったが、妙義はしっかりと見えてその近さがよくわかる。

おお…

この山の形が好きで、上信越道を通る高速バスにのるとじっと見てしまう。

とはいえ今日のように、山腹に雲がかかり山頂が見える、という風景は早々ないらしい。なかなか神々しいものを拝んでしまった。

松井田駅からすぐの場所にある西松井田駅を通過すれば、山が両側に迫りはじめ、碓氷川がつくる谷の中に信越本線、国道18号、上信越自動車道があつまって並走する。鉄道がかつて挑み、そして道路は今も挑み続ける「峠」の存在を強烈に感じ始める。

「登ってきた」感が一気に強くなる。

碓氷峠の説明案内が入り、そういえば先程鉄道文化むらの園内施設の優待券も配られていた。ついたらどうしようか、初手釜飯で、そのあとトロッコ、保存車みてまわって…

18号沿いのおぎのや横川店が見えてくるともう横川駅だ。線路がいくつかに分岐し、広い構内がかつての栄華を忍ばせる。これでも相当小さくなったようだ。2番線に到着、お出口は左側。

 

横川駅

いっぽうで右側からは太鼓の演舞が聞こえてくる。1番線ホーム中程でドンドンと響かせていて、ちょうど3号車からよく見える。2番線でやるのだと事前情報を得ていたけれど、この雨だと屋根のある1番線でやるしかないのか。

なかなか迫力があるもので、何人かの乗客と一緒にしばらく降りずに見入ってしまった。ずっと列車に乗っていたからか、太古の合いの手に入る鉦の音がなんだか踏切みたいに聞こえる。(だいぶ早打ちで、2本目の電車が来るときの京成線にそっくりだ)

降りると、雨。ホームには屋根のない部分もありますので、と案内があった通り、普段列車の発着があまりない2番線側にはほとんど屋根はついていない。

釜飯とPトップ。横川のハレ寄りな日常。

さっきより雨脚は強まり、うーむ。SLの方に行くのは諦めて、客車やEL側で何枚かスナップを撮る。

国鉄色電気機関車と青色の客車の組み合わせは、どうしても乗りたくて乗れずに消えていったブルートレインたちを思い浮かべてしまう。まあ、座席車の12系は、ブルートレインの範疇には入らないのだけれど。

ああ~

かっこいいじゃんね…

そうこうしているうち、1番線には普通列車が入ってきた。ELぐんま よこかわ、なかなかゆっくり走るものだから、後続の電車がすぐのところまで迫って来ていたようだ。

お隣に普通電車。いい感じにSLが隠れて、この絵も悪くない?

いろんなアングルから舐め回す。

この雨の中、カメラを壊しても嫌なので、程々で諦めて屋根下へゆき、しかし名残惜しく跨線橋に登ったりして、そして改札を出た。

自動改札で窓口も閉じているが、駅員さんが立っている。持ち帰りたいという申し出に、慣れたように緑色の図入り無効印を押してくれた。そういえば、JR東日本の駅にしては珍しく、穴開けをされていない。

改札出ても振り返っちゃうよね

さて、どうしようか。釜飯たべるか、とりあえず、、、、

釜飯食べてから、鉄道文化むらへ。こちらにはEF65-500番台の貨物向け「F型」 EF65-520が保存されてます。

 

SLぐんま よこかわ発車シーン

しばらく観光の後、こんどは上りSLぐんまよこかわの発車時刻が近づく。まだ雨は降っている。駅への入場はせず、駅の横の駐車場を歩いて人だかりのできている方へゆく。こちらから見ている人も多い。

けっこう奥まで行ける

SLの汽笛はいつもびっくりする。

そして出発。SLはSLでやっぱりカッコイイ。

こんどは主役だ、とばかりに、JRの人とゆるキャラと、そしてたくさんのギャラリーが見守るか、D51-498は勢いよく汽笛一声、それにEF65-501も応え、ゆっくりと出発。

SLが茂みに隠れてから、ズームレンズで目一杯望遠にして切り取る。一瞬だけ、憧れのブルートレインのように見えた気がした。

いつまで走るか、だし、また来てみたい。晴れた日に沿線撮影もしてみたいし。