ぱらのみっく・ういんどう

ひとり旅のブログ。乗り鉄中心、バスに船、街歩き。ひとつのテーマをじっくりと…。

柳都の赤い連接バス【新潟交通 萬代橋ライン (2021年・年末)】

新潟駅は随分様変わりしました。以前来たのが2012年(思いの外前だな?)そこからホームが高架化し、万代口駅舎が解体され…今も絶賛工事中。

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駅舎がない…

バスの運行形態もかなり変わったようで、真っ赤な連節バスが導入されてBRT(Bus Rapid Transit)を名乗り、走り始めた…というニュースは聞いていた。ずっと気になってはいたのだけれどなかなか訪問の機会がなく、その間にも色々と変化があり…2021年の年の瀬にようやく訪問できた。

 

 

新潟駅前(万代口)のりば

ずいぶん小さくなってしまった仮設万代口から、バス乗り場に向かいます。

新潟駅万代口のバスターミナルは無骨な上屋のある立派なものでした。バックで駐車するのはなかなか手間そうだけれど、こういうターミナルはなんだか好きです。一斉発車とか見ていてワクワクしました。

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ゴツい屋根と鉄柱!かっこいいな…

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2番のりばから13番のりばまで、計12レーンあってかなり大規模です。

ただ、連節バス含む、にいがたBRT・万代橋ラインはここからの発車ではなく、近くのロータリーに乗り場が整備されてます。今後工事が進めば、駅の下にバスターミナルが集約されるようで、今はまだどことなくアッサリ(?)したようにも見える雰囲気の乗り場です。カラーコーンが多くてそう見えるのかもしれない。

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丁度連接バスが来てました。前述ののりばになかった「1番のりば」が、ここらしい。

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発車案内はしっかりしていて、ちょっと鉄道っぽい。

万代橋ラインは昼間6本/時間程度運行されていますが、連節バス「ツインくる」が充当されるのは「快速」の扱いで、1時間1~2本程度がやや不定期に発車。ちょうど快速の出発間際だったので、周辺観察もそこそこに乗り込みます。

新潟のICカードは「りゅーと」というブランドですが、Suicaもちゃんと使えました。

2段ほど高くなっている最後部座席に座ります。空席はぼちぼちありますが、そもそも収容人数が多く、またバスが頻発していることを考えると結構乗っているなーという印象。

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最後部座席に。バス内の雰囲気を見渡せるので好き。

「快速」ということで、いくつかバス停を飛ばしていきます。中心市街地ではわりとこまめに停まりますが(運行開始当初はもっと少なかったよう)そこを抜けるとガッツリ飛ばす感じ。運行ルートは青山ー新潟駅間で、新潟交通電車線(1999年全線廃止)の東青山ー白山前、と、未成に終わった新潟駅方面への延伸計画をトレースするようなルート設定です。幻の路面電車に思いを馳せながら…

 

新潟駅~万代~古町~白山

万代シテイ停留所で早速新潟方面ゆきの連接車とすれ違いました。連接車は4台いるようですが、このとき確認できたのは2台だけ。

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すれちがいシーン。

このあたりは、なんというか大きなショッピング施設もあり、駅前よりも栄えている印象です。古くからの中心市街地とも重ならず、バスセンター前町とでもいうべきエリアでしょうか。

そういえば、万代シテイバスセンターには時間がなくて寄り損ねました。カレー食べたかったんだけど… またお散歩に来たいです。

 

萬代橋信濃川を渡ります。一気に空が開けて爽快

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萬代橋。もともとは路面電車を通すために広めに作られています。奥にかかっているのは柳都大橋。

信濃川を渡ると、新潟の旧来の市街地である古町エリア。こまめに停車していきます。もともと、ややこしかった中心市街地への乗り入れバス路線を整理・統合することを目的として誕生した路線ですので、バス車内のモニターには支線系統への乗換案内が、発車時刻・バス停の位置、と丁寧に示されます。

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バス停の位置が地図で示されます。

公園が整備された大きなカーブを曲がると、市役所前停留場。大規模なターミナルが整備されています。

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気になる大きなカーブ。この写真の(見えていない)右側に、かつて電車線の駅がありました。

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しっかりした屋根・風よけ付きで立派。道を挟んで反対側にロータリーも整備されています。

もともと電車線時代、ここから燕市の方まで大型の電車が走っていました。しっかりしたターミナルもその流れでしょうか。

当時の駅舎(県庁前駅→白山前駅)は解体済みですが、公園のトイレが丸みを帯びた優雅な形状で、どうもかつての駅舎をモチーフにしているようです。

 

白山~青山

ここからしばらくは、かつて電車が路上を走っていた区間となります。といっても、至って普通の…2車線道路です。ここを大型電車、晩年は元小田急の電車なんかが走ってたんだなあ、というのも、今となってはちょっと想像しづらいです。

当時の電車線を再現したカラーのバスも走っているみたいです。これは見てみたい!

kaboden.jimdofree.com

 

車内から、特に自分は最後部の数段高くなった座席に座っていたので、ずいぶんと狭い道をギリギリで進んでいくような雰囲気を感じました。

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電車時代の目線に少し近い…のかも

実際のところはものすごくギリギリ、というわけでもないですが、それでも連節バスが走ってくるのは迫力のあるエリアです。連節バスが運用される快速便は、このあたりのバス停は基本的に通過します。流石に、乗降扱いをするには狭いんでしょう。

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すこし古めの市街地です。

一方で、各停留所に止まる便はこの辺もこまめに停まります。こちらは見た目、普通の新潟交通バスで、顔のところにオレンジのBRTマークが差し込まれているのが目を引きます。

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各駅停車便。オレンジ地に白色のBRTのマークがつくのが特徴です。

各駅停車タイプは、通りから一本折れたところにある白山駅前のバスターミナルにも乗り入れます。しっかり屋根付きで整備されているのが雪国らしさ。

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バス通りからちょっと飛び出して、駅に乗り入れます。

バスは越後線のガーター橋をくぐり、関屋方面へ。

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新潟市中心部の越後線の橋は(ここに限らず) なんだか華奢でドキドキします。

この先で、かつての電車線は道路上から専用軌道区間に移っていたはず。電車線時代と同じ「東関屋」というバス停もあります。(BRT快速便は通過しちゃいますが)

 

関屋分水路を渡ります。先に萬代橋で渡った信濃川の分水路です。

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よくよく考えると、信濃川と関谷分水路に挟まれ、日本海に面する新潟市街地って「島」なんですね。

橋を渡りきるとイオンがあり、ここが終点「青山」。イオン併設のバスターミナルというのがイマドキな感じがありますが、BRTと支線との乗り継ぎ拠点ですので、ついでに買い物を…というのに便利そう。

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青山につきました。

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新潟駅から青山まで、210円。割とお安い?

青山停留所周辺

さて、到着したバス停の付近を見回すと…淡い緑色の、立派なガーター橋が見えます。

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車内からも見えます。気になる!

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ゴツくて淡い緑、よいとしか。

近づいてみると登る道があり、上はサイクリングロードになっていました。ここがかつての、新潟交通電車線廃線跡なんですね…

下の写真で中央、橋を渡りきったあたりにかつての東青山駅があったらしいです。

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登ってみました。

BRTと電車線、あらためてその近さというか…感じました。

 

帰りのバスもイオンの横から。

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歩道・屋根・バスターミナルが一体化しています。ある種の雁木? 冬のバス待ちには少し寒そうな雰囲気。

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発車案内もしっかり。

大きなディスプレイに出発案内が出ています。ここから新潟駅まで、だいたい、一般便で30分、快速便で26分となっています。一緒に上越新幹線の案内が出ているのが面白い。東京を見据えています。

 

むすび

いまのところBRTとはいいつつ、専用走行路も車外改札もありません。海外で導入されている都市型のBRT・あるいは三陸海岸の鉄道線を改築したBRT、のような雰囲気というよりかは、しっかりと(政策的に)整備したバス路線、という印象です。

それでも頻発していて、バス停もしっかり整備されているので、使いやすくしつつ、運転手不足への対応も…ということはできているのかな、と思います。(もちろん、乗り換えが増えた、等の課題はあると思いますが)

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この〇BRTマーク、シンプルで好きです。

そのうち専用レーンが設置されて…優先信号も…というのは妄想しちゃいますが、まずは新潟駅から南、スポーツ施設等がある鳥屋野潟方面への延伸が、新潟駅の整備と合わせて計画されているようです。また変化があったら、理由をつけて乗りに行きたいと思います。

(写真:Ricoh GR-iii, Google Pixel 3a)