ディーゼルカー行き交う、総延長51.1km非電化路線であるものの、常磐線との接続駅・取手から、常総市の中心地・水海道までの17.5kmが複線化されている路線です。
非電化線、という、ローカルなイメージ漂う単語に似つかわしくないくらいに、しっかりとした朝ラッシュも存在。長くて2両編成ではありますが、平日朝7時・8時台には毎時8本の電車…じゃなかった、列車が運行されています。
詳細は書きませんが、石岡にある地磁気観測所の記録に支障をきたさないためにこういう状況が生まれている…ってのは、鉄道趣味界隈では有名ですかね。
そんな常総線、普段は軽快気動車タイプの現代的なディーゼルカーが活躍していますが、平日朝ラッシュに限り、国鉄型気動車からの改造車(車体更新車)も走ります。これら、準国鉄型…的なキハ0形・キハ310形をお目当てとして、取手駅前に宿をとって訪問してみました。
水海道ー取手間の区間運用に目星をつけておいて、それぞれにどの車両が使われているのか調べつつ乗り鉄・撮り鉄をしてきます。
下記、時系列で並べて書いてます。
5:50 取手駅
早朝の取手駅。5:00発の始発列車の後、5:18・5:37・5:52と、すでに4本の列車が発車済みです。
乗り込んだ列車は2100形。今日の狙いは0形・310形ですが、まずはこれに乗って途中駅へ行きつつ、すれ違う列車で目星をつけていきます。早朝ですがパラパラとお客さんはいました。
移動中にクリーム色にオレンジ帯の列車とすれ違いました。早速お目当ての車両がいたようです。このあと取手から折り返してくるので、途中駅で下車して待ち構えます。
この時間でも、取手方面はそれなりに人が乗っていました。
6:07 寺原駅
寺原駅で下車します。この後も、取手行き列車に0・310形が運用されていることを期待しつつ、さっきすれ違った列車が来るのを待ちましょう。
ぱらぱらと人が待つ駅のホーム。流石に冷えます。この日朝、取手は氷点下。ホッカイロとニット帽、手袋装備、そしてオタ活テンションでまあ我慢できる程度ではありました。
複線線路の遠くから明かりが近づいてきます。上り列車かな、ずいぶん長く直線に線路が敷かれているので、光が見えてもなかなか近づいてはきません、しばし待ちましょう。
来たのはお目当て、310形でした。どうも連続で2編成が運用に入っているようです。取手行きが折り返しになるはずなので、とりあえず0形・310形と両形式に乗れそうで一安心。
空が白み始めた取手方面に列車は発車していきました。
次の水海道行きは、先ほどすれ違った0形でした。よし、乗り込もう。
ぐおるるるるる…とケタタマしい唸りで、それでもかなりスピードを出しながら走ります。停車駅案内のまえの「ポーン」が思いの外大きな音で驚く。
6:28 戸頭駅
次の列車が310形なのはわかっているので、ここで一本待ちます。
待っているあいだにも、取りで方面への列車がやってきます。
2400形ですが、うち1両がリバイバルカラーでした。なかなか似合います…(ツートンカラーフェチ)
ホームで14分ほど待ち、後続の310形(315・316)がやってきました。見た目は0形とそう変わらず…というか、見分けがちょっとつかないです。
列車は国道と並走します。同じぐらいのスピードでトラックが並走していく感じに、今まで乗ってきたローカル線を重ね合わせ、浸ります。駅に止まるたび、開いたドアから流れ込む朝の空気を感じる。
水海道ゆきですが、乗っている人は随分と増えました。取手駅(常磐線乗り換え)だけでなく、守谷駅でTXと乗り換えって需要もあるので、双方向に需要があるんでしょうね。もっとも、もう年末。学校も休みですし、仕事納めを終えた人もいるでしょうから、普段よりは混雑は少ないのかもしれません。
0形と310形、両方に乗ることができましたが…乗っていても、あんまり違いはわからず。(音が若干違う?でもエンジンは同じはず…)
調べてみると、以前は外見上で区別がついたようですが、その後の改造で違いはほとんど無くなっているようですね。元になった車両は、関鉄キハ0形←国鉄キハ20系、関鉄キハ310形←国鉄キハ10系…で、キハ310形の方が古いです。
ふと上を見ると…
扇風機にJNR印の国鉄ロゴを発見しました。こういう小物なんかは、国鉄時代のままなんだなあとしみじみ。
6:54 新守谷駅
TXとの乗換駅である守谷駅の一つ先、新守谷駅にやってきました。2面3線のホーム。ホーム上の大きなアナログ時計が目を引きます。
ここで降り、守谷駅まで歩きながら、水海道で折り返してくる列車を撮影しようという魂胆です。ちょうど日の出の時間を過ぎて、だいぶ明るくなってきました。
上り列車の0形(001・002)。まだこのあたりは日が当たりませんね…。
改札を出てから、快速列車がもうすぐやってくることに気づきました。新守谷駅は通過ですが、優等列車の通過シーンにワクワクしてしまう自分なので駅近くで待ちます。
単線区間の下館方面から直通してきて、守谷駅までは快速運転を行います。軽快気動車タイプでした。
その後、国道沿いを歩きつつ、沿線の良い感じの場所がないか…探します。
なんとなく、もっと近接した平行道路があるイメージでしたが…思いのほか近づけません。まあ住宅開発が入る前はこのあたりかなり田園ローカルムードだったはず。そう都合よい道も無いですよね…。
住宅地の中を進んでいくと、いい感じの第4種踏切が残っていました。近くの大きな倉庫で遮られ、朝日は当たりませんが、なかなか良い雰囲気。でも、複線で本数も多くてかなりかっ飛ばす常総線で、警報器も遮断器もない第4種踏切はちょっとおっかないです。310形は警笛を鳴らしながら通過していきます。
そのままニュータウンをあるいて守谷駅に向かいます。生け垣の向こう側に線路が隠されてしまっていて、パット見ここに鉄道がある、、という雰囲気ではありません。こういうのは、架線や架線柱が存在しない非電化路線らしいところだな、と感じます。
守谷駅に近くなるにつれ街感が増してきますが、線路脇が畑?になっていたりと変なところでローカルムードを醸してくるの常総線。
もうすぐ守谷駅。本数が多いので、よく踏切の鳴動音が聞こえます。遠くを走る列車の警笛も聞こえてきたりと、「鉄道」がいるなあ…という雰囲気を街から感じます。
7:40 守谷駅
TXとの乗換駅。守谷駅。2面4線の立派なホームがあり、拠点駅の風格です。時間的に0形が来るな、と思って下り3・4番ホームで待ち構えます。
7:50発、思いの外お客さんをのせて発車していきました。発車のとき結構排気が出ていてカッコイイ。
このあとは取手駅方面に戻って、適当な駅で310形を撮影してシメますか…と、2番ホームで次の取手行を待ちます。
足元の乗車案内には、2・3・4両のりば、に、1・2、と上書きされています。かつては朝ラッシュには4両編成があったようです。
つくばエクスプレス開業以降、守谷以北のお客さんが守谷で乗り換えて都心に向かうようになったり、取手ー守谷間も、取手へいく流れと守谷へゆく流れができたり、で、混雑が減少したのでしょう。いまでも、臨時列車で4両運転や、場合によっては5両編成が見られるようです。
待っていたら、思いがけず、0形が入線してきました。てっきりこの日の運用入りは、0形001・002編成、310形315・316編成だけだと思っていたので、かなりびっくり。もう1編成が運用に入ってたんですね。
観察はしていたつもりでしたが、見落としか、それともちょうど車庫から出てきたのかな?
折角なので、開いていた先頭部の席に陣取って、横を向いて前面展望を楽しみます。太陽がまぶしい…
8:00 戸頭駅
戸頭駅で下車し、ササっと1枚写真を。
ようやく顔に日が当たっている写真が撮れた!と思いきや、自分の影とのツーショットに。まあ別にいいんですけど、影の長い時間帯はちょっと厄介です。
日がしっかり登ってきたので、取手方面は逆光です。
この駅でお目当てとしていた310形水海道行は、あんまりうまい具合に写真が撮れず。
次の取手行列車で西取手駅へ。
西取手駅は盛土の上にホームがあり、高架線のような雰囲気の駅。周り家並みよりも一段高いところにあり、スッキリと開放感があります。ホームに屋根のない取手方面が特に良い感じ。
今日はいろいろ動き回りましたが、この駅で腰を落ち着けて写真撮っていてもよかったかなあ…って雰囲気です。側面はともかく、取手側の顔には朝日が順光でがあたる位置ですし。
ホーム端より守谷方面はゆるやかにカーブ。望遠レンズがあればいい感じかな、とも思いますが、すぐ横に出入り口があるので、突っ立ってたら流石に邪魔かなあ。もうラッシュが落ち着いて、そんなに人はいないですが…。今日何度かすれ違ったリバイバルカラーさんが発車していきました。
上り列車が発車してすぐあと、下り水海道ゆき0系がやってきました。(被らないかちょっとヒヤヒヤ)
うん、後追い写真ですが、シメにはとりあえず満足。最後にここで写真を撮れて良かった気がする。
次の列車で取手駅に戻ります。
そのまま足早に駅前の宿まで戻って、9時までの無料朝食(東横インに泊まりました)にも間に合いました。なかなか良い朝活ができて満足です。
キハ0・310形は置き換えが進み、続々と引退していく印象があります。できればもう一度、会いに行きたいですが、都合よくヒマな平日休みのタイミングがあるかどうか…あるいは、イベントとかがあれば行ってみたいかもしれません。
また結局、今回は列車の追っかけ重視で、常総線全線の1/4に満たないくらいしか乗れていません。近隣の竜ケ崎線も併せてまた訪問したいところです。